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児玉秀人パティシエの写真 児玉秀人パティシエ(担当:プティガトー、パティシエ歴10年目)チームワークを円滑にすることも"美味しさ"の秘訣

小山シェフと出会ったのは私が19歳の時のこと。私が製菓専門学校卒業後に初めて勤めた神戸の「ハイジ」本店に小山シェフはいらっしゃいました。それ以来の10年来の付き合いになります。小山シェフはパティシエとしても人間としても影響力が強い!私にとって肉親以外でNO.1の存在と本気で思っています。私のパティシエ人生は小山シェフと共に始まり、「パティシエ エス コヤマ」が生まれて今に至るまでをずっとシェフのかたわらで見てきました。だから私のパティシエ人生を語るのにシェフの存在は欠かせません。

さて、その全てをここでは語り尽くせませんが(笑)、その足跡を軽くたどってみると・・・、私は「ハイジ」で約2年働いた後、開店準備のためハイジを退社される小山シェフについて時を同じくして退社しました。しかし、すぐにエス コヤマがオープンされたわけではありません。約3年半の開店準備の間、シェフの烏合の一声を待ちながら、私は長崎や広島など西方面のシェフのお知り合いの店で、西嶋(専門学校からずっと一緒の同僚)は神奈川、千葉、北海道など東方面の店で、転々としながら働かせてもらっていました。

いよいよ2004年11月パティシエ エス コヤマはオープン。私たちは開店2週間前にまだ工事中の店に入り仕込みを始め、前日は徹夜でお菓子をつくり、当日の朝を迎えました(この日の朝の晴々とした気持ちはきっと一生忘れません!)。ケーキをショーケースに並べてほっとしたのは束の間、開店直前にお客様の行列を一度だけ見て「うわっ」とびっくりした後は、もう余裕なし! とにもかくにも作るのみでした。想像以上のお客様が来てくださって2時間でお菓子がすべて売り切れるという日々がしばらく続きました。

今では当初8人だったスタッフが約45人になりました。チームワークが大切なお菓子づくり。人数が増えれば、それだけ目配り、気配りが必要になります。最初はシェフに叱られっぱなしだった私も、後輩ができるようになってからものごとを見るスタンスが変わり、相手の立場に立ち伝える方法を考えるようになりました。シェフは「エス コヤマはお菓子作りの技術だけでなく、人間を磨くところ」と言われます。エス コヤマのお菓子に"美味しい"の秘密があるとしたら、そこらへん(チームワークや人間力?)にもあるのかもしれません。製造だけでなく、思いやりを持ちつつ、馴れ合わず、怠らず、チームワークが円滑になるように働きかけることも大切な仕事のひとつ。それもきっと、後輩のため、自分のため、お店のため、そしてお客様の満足のために繋がるのではないかと思っています。


カットナイフの写真 児玉パティシエの必殺アイテム「カットナイフ」

ひと目惚れして購入した龍の刻印が彫られたケーキカット用の鋼(はがね)のナイフです。ステンレスと比べて錆びやすいけれど、手入れをすれば本当によく切れます。エス コヤマのプティガトーはホール9カット分。最初の1カットを切り出す時には必ずこのナイフを使います。(あとの8カットは長いナイフで切ります)


マジックの写真 お気に入り「マジック」

このケーキは小山シェフがTVチャンピオンのパリ決勝大会でジェラール・ミュロ氏に認められた思い出の一品です。実は、マジックの前身には"ハーモニー1997"というケーキがあって、この時から小山シェフのもとで仕込みをしてきた私にとっても思い入れの深いケーキ。重なった素材の一層一層がまさしくハーモニーを生み出し、相乗効果で倍々に美味しさを奏でます。