パティシエ エスコヤマ研修旅行

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es koyama IN FRANCE 2015

Vol.10 4日目 食の都リヨンへ WRITER:杢田 一樹

入社2年目となる、資材管理担当の杢田一樹と申します。
研修4日目は、「ボナ」の工場見学組とフリータイム組に分かれて行動しました。
私はリヨンでの自由行動についてのレポートを書かせていただきます。よろしくお願いいたします。

リヨンはフランス南東部に位置し、面積はパリの半分ほどですが「食の都」「水の都」などと呼ばれるフランス第2の都市です。
この日は朝からヴァランスのホテル前で2台のバスに分かれて移動しました。
ボナの工場見学に行かれた方々とは、午後にリヨン駅で合流することになっておりますので、私たちフリータイム組は一足早く出発しました。

ヴァランスからバスに乗り、約1時間半で到着です。

バスを降りた皆さんの第一声は、

「寒い!!」

昨日までは暖かい南部に滞在していましたが、この日からは北上し、気温が10度以上下がり、15度ぐらいになりました。

バスを降りた目の前には「星の王子様」の作者、サン・テグジュペリと星の王子様の像がありました。
ここリヨンはサン・テグジュペリの出身地として知られ、空港にも彼の名前が付けられています。

その足ですぐ隣のベルクール広場へ向かい、ルイ14世の騎馬像前で記念撮影をしました。

この日はあいにくのお天気でしたが、周りのどの建物も綺麗で、晴れていたらもっと素敵な写真を撮れていたと思います。

ツーリストインフォメーションへ向かい、リヨンでの計画を立てることになりました。
まずは地図を手に入れ、みんなでどこに行くかを話し合います。

リヨンでの交通手段は、地下鉄・バス・ケーブルカー・トラムの4種類。
これら全ての乗り物に1日何度でも乗れる1日券を購入し、行動することになりました。
料金は一人4.40ユーロ(約600円)。バウムクーヘン担当の岡田さんの帽子で全員分の料金を回収します。

添乗員のジャンマルクさんにチケットを購入していただく間、短い時間ですが近辺を散策しました。駅のすぐ隣は世界遺産に登録されているリヨンの歴史地区。
すぐにサンジャン大聖堂が目の前に現れ、周辺にはオシャレな街並みの中に美味しそうなカフェやブーランジェリーなどがたくさんありました。

1日乗車券を受け取り、ケーブルカーを利用して「フルヴィエールの丘」へ向かいます。
乗車時間は短いですが、トンネル内のかなり急な坂道を登っていきました。

頂上に到着し、少し歩くとリヨンの茶色い屋根の街を一望出来る展望台がありました。
隣には世界遺産のノートルダム大聖堂があり、景色も日本とは全く違う街並みで、とても綺麗でした。

そうこうしている内に、時間はお昼過ぎ。お腹も減ってきたので、地下鉄で目指したのは食の殿堂と呼ばれる「リヨン中央市場」。

ここは「ポール・ボキューズ市場」とも呼ばれています。
ポール・ボキューズ氏はリヨンでミシュラン3つ星を40年以上維持されているレストランのシェフで、フランス料理界の重鎮。
この市場はポール・ボキューズ氏の功績を讃え、市場の名前に彼の名前を付けているのだそうです。
食に携わる仕事をしている私達にとって、「美食の都・リヨン」に来たからには、ぜひ行っておきたいスポットでした。

市場内に入ると、中には魚介類やお肉、スイーツなどが綺麗に並べられていました。カフェやバーも併設されており、新鮮な食材をその場で調理して頂けます。
お昼時でしたので活気もあり、見ているだけでも楽しかったのですが、時間が限られていたのでまずはお腹を満たすことにしました。

「お肉が食べたい!」という生ケーキ担当の岸田さんのリクエストでお肉が食べられるお店を探しました。
フランス語は読めませんが、分かりやすい牛の絵が看板になっているお店を発見し、そこに入ることに。

つたない英語を駆使して、このお店の人気ベスト3を注文しました。
自家製ステーキ、タルタルステーキ、カツレツの3種類です。
どの料理も絶品でしたが、フランスの定番料理でもあるタルタルステーキ(写真右上)はその中でも格別でした。

食べ終わるころには集合時間となっており、市場内を一周することは出来ませんでしたが、機会があればもう一度訪れたいと思う場所でした。

工場見学組との合流まで残り約2時間。集合場所の駅まで戻ることを考えると、次がフリータイム内で行ける最後の場所となります。
リヨン中央市場から徒歩で目指したのは、老舗ショコラトリー「BERNACHON」。

お店に向かう道中、海外研修初参加で知識もない私に、先輩方がBERNACHONとは、という事から細かく教えて下さいました。
伝統の味を守るため、支店は出さず、世界に一つだけの店舗がここリヨンにあります。
日本で三田にしか店舗の無いエスコヤマと似た部分を感じます。
現在は三代目であるフィリップ・ベルナシオン氏が後を継ぎ、伝統的な製法でカカオ豆の状態からチョコレートを作り上げる、「Bean to Bar」に昔から取り組まれておられるそうです。

老舗の高級店ということもあり、店内はとても落ち着いた雰囲気です。
チョコレートの他にもパンやケーキもショーケース内に並びます。
BERNACHONの看板ショコラは「LES PALETS D’OR(ル・パレ ド オール)」。フランス語で金の円盤を意味します。名前の通り、丸い円盤状のショコラに金箔をデコレーションしたものです。お味は濃厚でビターなショコラでした。

日本でBERNACHONの商品を手にする機会は年に一度開催される、サロン・デュ・ショコラのみ。お値段は日本で買うと、現地の約3倍に上がってしまうそうです。

それぞれお土産や試食用の買い物を終え、集合場所へと向かいました。

今回の研修旅行を通して、普段の忙しい業務の中であまりお話が出来ていなかった方々とゆっくりと一緒に過ごすことで、コミュニケーションをしっかりと取れる関係を築くことが出来たと思います。
エスコヤマも、ロンドンやパリのチョコレートのコンクールで毎年受賞していて、世界的に評価していただいています。そこで働く事で、それまで知らなかったショコラの世界が広がりましたし、もっとショコラについても、ケーキについても、味覚にしても、知識を深めていきたい、色々なことを知りたいと思えた旅行となりました。
研修に参加させていただき、貴重な機会を与えて下さった小山シェフ、初参加の私を仲間の輪に入れて下さったスタッフの皆さん、本当にありがとうございました!