パティシエ エスコヤマ研修旅行

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es koyama IN FRANCE 2015

Vol.16 5日目 パリ「TOYO」でのお食事 WRITER:福井 早苗

こんにちは、管理本部の福井です。
研修も残り2日となった5月16日、パリは観光スポットも多くてどこに行くのか大変迷いましたが、午前中はルーブル美術館の見学、それからおみやげ選びなど沢山楽しませてきました。夜は、小山シェフにご招待いただきレストラン「TOYO」でお食事させていただきました。
メンバーは、小山シェフとお菓子教室担当の日高さん、小山ぷりん担当の砂子さん、マルシェの横越谷さん、生ケーキ担当の武村さんと黒田さん、そして私の7名です。

小山シェフとお食事を御一緒するのも、フランスでの素敵なディナーをいただくのも初めての私は、最初から最後まで終始緊張しっぱなしでした。

今回お邪魔させていただきました、モンパルナスにある「TOYO」ですが、 お店の名前は、オーナーシェフの中山豊光さんのファーストネームからの由来だそうです。お店をオープンされる前は、KENZOのデザイナー高田賢三さんの専属料理人を7年間されており、バスティーユにあった約2千平米にも及ぶ豪邸での住み込みでのお仕事をされていたそうです。普段のお食事のご用意はもちろん、接待などの大人数のお食事もされていたそうで、お花の位置などのテーブルセッティングなども、ご自身で決められていたとのこと。
また、こちらはフレンチなのですが、少し変わっていて月曜は和食、火曜から土曜はフレンチを出されているそうです。

お店に入ってすぐのエントランスには、高田賢三さんが自ら、中山さんの為に描かれた肖像画が飾られており、お店はとてもモダンでおしゃれな雰囲気で、エントランスを通るとすぐにはテーブル席が数席あり、今回、小山シェフと私たちはまたその先にあるオープンキッチンの見えるカウンター席にお邪魔させていただきました。カウンター席の向かいでは、中山シェフが次々と料理を作られているのを間近に拝見させていただける席というのもあって、テンションも上がります。

小山シェフはいつもお任せのコースということで、中山シェフより「何か食べたいものがあれば、何でもおっしゃってくださいね。」と優しくお声掛けいただきました。また、私達女性陣には、量のことでも「少なめがよかったりするときはおっしゃってくださいね」ともおっしゃっていただきました。

こちらの黒いお皿に乗って登場したのは、エンドウ豆のスープ、レンコン・イカのミジンコ揚げ、生ハムとジャガイモのババロア。レンコンの揚げ物はサクッとした食感がたのしいです。そしてこのお皿中でも一番おいしかったのがエンドウ豆のスープでした。のど越しもすっきりしていて、すぐにぺろりといただきました。

続いては、車海老と赤パプリカのソース。そして横に添えられているは、イチゴとフェッタチーズ。白い器にもイチゴが添えられています。車海老にかかっている、赤パプリカのソースには、少しお酢が入っており、上のイチゴを一緒にいただくと、酸味がさらに口の中に広がります。

仔牛のカルパッチョ
うすいピンク色の仔牛のカルパッチョの上にはとろろ昆布がそえられており、食感はとても柔らかくて、とてもおいしいお肉でした。手前にある白く丸い食材は、生のマッシュルームです。生のマッシュルームは初めていただいたのですが、少しさくっとした食感です。

 こちらでは、仔牛のフライとマグロのフライのどちらかを選ぶことができたのですが、私は迷った結果、マグロのフライを選ばせていただきました。衣はサクサクで、マグロはとても柔らかく口の中で、すぐになくなってしまいました。

こちらは、かにの真丈蒸 コンソメスープ。
私はかにが好きなのですが、この注いでくだったスープがおいしくて、真丈蒸とスープも残さず頂きました。

カウンター席でのお食事は初めてだったのですが、オープンキッチンでは次の料理の準備をされており、次々とお料理が出来上がるのを拝見できとても面白かったです。

こちらのお料理での、アスパラガスはとても美味しく、日本で食べるアスパラガスとはまた違い少しぬめりのある食感でとても面白かったです。添えてあるレモンも、食べるレモンでレモンの酸味が口全体に広がります。

食事も後半になりおなかもかなり満腹に近づいてきましたがカレーの登場です。上に乗っているのは、アンコウのフライ。今までアンコウは、片手に数えるほどしか食べたことなく、しかもフライでいただくのは初めてでテンションが上がりました。こちらのカレーは、高田賢三さんが好きなブイヤベースを作られた翌日に、その出汁を使ってカレーを使ったことから生まれたスペシャルメニューだそうです。

デザート一品目。こちらはまだ試作中とのことですが、今回いただくことができとてもラッキーでした。グレープルフルーツを使用されているムースということで、口の中がさわやかですっきりした後味です。

デザート二品目。ヨーグルトのアイスとブラッドオレンジです。
アイスの上にのっているのは、なんと海ブドウでした。こちらも海ブドウ独特のプチプチとした食感がとても面白く、素敵なデザートでした。

今回いただいたのは、全部で12品。ご一緒した方とはみなさん一緒ではなく、それぞれに各自好きなお料理を選んでいらっしゃいます。今回私が、お願いさせていただいたどのメニューもとてもおいしく、一品ごとにお皿や料理の盛り付け・演出に感動致しました。本当に有意義で楽しいお食事をありがとうございます。
小山シェフは、「20年前くらいにフランスに来ると、途中で蕎麦なんかを食べたくなって、和食屋に行ったりしていたけれども、最近ではトヨくん(中山シェフ)のような、和の心を持ってパリでフレンチを提供してくれるシェフがいてくれるから、和食屋に行くこともなくなった。TOYOでは月曜に和食を出しているから、パリに来ると、
月曜と、あともう一日食べに来たいな、と思う」とおっしゃっていました。

そして最後には、一緒にお食事をした皆さんと小山シェフそして中山シェフとご一緒に記念撮影をさせていただきました。TOYOでの、一生忘れないお食事です。

今回の研修で素敵な経験をさせて頂き、本当にありがとうございました。
自分一人だけでは、とても経験できないことをさせて頂きました。

お食事の途中で、小山シェフがお話されていたのは、料理を食べて、おいしいと思ったらなぜおいしいのかを考え、イメージすることが大切だというお話をされていらっしゃいました。たとえば、その食材にはなぜこのソースを使うのか?など役割を考えるということ。私は普段お菓子を作る仕事ではありませんが、このお話を聞いて普段の仕事にも、つなげていくべきだと感じました。まだまだ、知識が足りない未熟な私ですが、これからももっと視野を広げて、成長した自分がまたフランスの地を踏めるようになります。

今回の研修レポートも残りあとわずかとなりましたが、ほかのみなさんがパリでの時間をどんな風に過ごされたのか楽しみです。

つたないレポートでしたが、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。 それでは次の方へ、バトンタッチです。