2.パティシエ&パティシエールたちの旅2006.5.31地方都市レンヌへ、お菓子&ガレットの旅
生ケーキチーム7人でブルターニュ地方の美味ツアー

「普段がんばっている生ケーキチームに、おいしいものを食べさせたくて」と、レンヌ行きを企画したのは生ケーキチームのリーダー(現・商品開発チームのリーダー)である長野パティシエ。以前、フランスに数ヶ月滞在した時にハマった、レンヌのお菓子と料理クレープ「ガレット」を食べに、モンパルナス駅より特急列車に乗りこみます。メンバーは長野、内海の2人のパティシエ、丸本、中嶋、寒川、吉田、高橋の5パティシエールの計7名です。日本のように「ご乗車のお客様は…」というアナウンスも、「プルルルルルー」という甲高いベル音も鳴りません。ここでは「乗り遅れたら自分が悪い」と言うかのごとく、黙って涼しい顔をして列車は動き出します。
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MOFパティシエ、ローラン・ダニエル氏が草原に工場を作った理由

列車で約2時間で着くレンヌは、ブルターニュ地方の中心地。名産の有塩バターを使う伝統菓子「ガレットブルトンヌ」、そば粉のクレープ「ガレット」などが有名です。まずは長野パティシエの紹介で、MOF(フランス最優秀職人)の称号をもつパティシエ、ローラン・ダニエル氏の工場を訪ねます。タクシーで20分ほど揺られて着いた草原に、約500平米の広い工場がありました。中を見学させていただくと、乾燥、冷蔵、ショコラのピストレ、アイスクリーム作りと、作業工程ごとに部屋が独立。清潔でゆとりのあるスペースで、みなさん、テキパキと気持ちよさそうに働いています。エス・コヤマの厨房を思い浮かべ、「うちの厨房は物が多いなあ…」と顔を見合す丸本、中嶋、寒川の3人のパティシエール。「eS-LIVING hanare」の隣に工房ができたこと、さらに今年冬に新棟「frame」にバウムクーヘンの工房など新しい厨房ができる意味を改めて噛みしめたのでした。
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ローラン・ダニエル氏の工場前で、ローラン氏と奥様と一緒にパチリ!

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駅前にあるローラン氏のサロン・ド・テ「ル・ダニエル」にて。ケーキの外見、構造、味、バランス、1つ1つのパーツが丁寧に作られているかなどをよく吟味して食べます



ハナレで登場(?)予定のガレットを本場で食べる

ランチはそば粉のクレープ「ガレット」の人気店「MORDELAISE」。ガレットは表面はパリッと中はむちっと。噛むほどにそば粉の香ばしさが広がります。すっきり辛口のリンゴのお酒「シードル」をごくごくと飲みながら食べればペロリ…。いや、直径約25cmの皿からはみ出るボリュームなので、さすがに"ペロリ"とはいきません。しかし、有塩バターのリッチな風味が広がったところに、シードルを流し込むと口の中がすっきりし、また食べたくなるのでした。7人でマッシュルーム、ベーコン&エッグ&チーズ、ほうれん草&チーズ、リンゴ&ミンチなど7枚を注文し、分け合って食べます。「シードルと食べると軽くなっていいね」。「塩が効いてる」。「日本のガレット店と比べて、しっかりソバ粉の香りがする」などと口々に批評。こうしてその土地の流儀に従って食べ、新鮮な感覚に浸ってワイワイと盛り上がれるのは、"文化"となった料理ならではの魅力です。

さて、「eS-LIVING hanare」でも、いずれはこのガレットが登場する予定です。7人の経験が小山流ガレットにどう生かされるのか、楽しみですね。
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スクエアに端を折った生地の上に具がたっぷり。7人とも1枚で満腹に