世界のカカオと個性ある素材の出会いに魅せられて。小山進のクリエイションの結晶

UNDERGROUND CHOCOLATE AWARD 2019-2020

1箱(8個入) ¥3,240

賞味期限
30日(20℃以下)
箱サイズ:縦15× 横21× 高さ3cm
特定原材料27品目:乳成分、りんご、大豆

SUSUMU KOYAMA'S CHOCOLOGYと同じ時期に生まれた個性派集団

2019年はコンクールが一切無かったおかげで、カカオと素材のマリアージュをゆっくりじっくりトコトン追求できた。そうして生まれたボンボンショコラは30種類以上。時間をかけた分 1粒1粒の完成度は高かったが8粒全体をまとめる物語や“流れ”のハーモニーを考える必要はなかったので、単純に個性の強いものを選び抜くという意味ではキャスティングには苦労しなかった。その中でひと際特長的な創作の背景を持つのが「ジャスミンティー」だ。実は過去に何度か試作をしたが完成には至らなかった。そんなジャスミンティーも、世の中にピンからキリまであるうちの、“ピンの中のピン”に出会うことができ、今年初めて形にできた。素材の中のトップ・オブ・トップによって以前持っていたイメージは覆されたのだ。そういう発見はたくさんあった。そして今年は、素材にジャストフィットする新しいカカオとの出会いが急に舞い込んで来るという幸運が僕を幾度となく助けてくれた。今年1年間の僕と素材たちとの出会いのストーリーを皆様に追体験していただき、かつシンプルに「ボンボンショコラって楽しいな」と感じていただけたらうれしく思う。

金柑&玄米茶
◆金柑&玄米茶

ザクザク食感と柑橘の香りを
時間差で楽しむ和のショコラ


和のインスピレーションで創り上げたショコラ。ザクザクとした食感を残した自家製のプラリネノワゼット(ピエモンテ産ヘーゼルナッツ)の中に、香ばしい玄米香煎入り玄米茶と、日本の技術がなせる高度な技術を使って、柑橘香の元となるリモネンを含んだ油分を宿したまま乾燥させた金柑をパウダー状に粉砕したものを混ぜ込みました。香ばしさと金柑特有の柑橘香が互いを引き立てるように合わさって心地よく広がり、ナッティなコクとショコラ・オレの甘味が全体をまとめ上げています。

ジャスミンティー
◆ジャスミンティー

ジャスミンティーの持つクリアなイメージを
インド産とペルー産のカカオのマリアージュで表現


シェフ小山の中で、ジャスミンティーを表現するときに必要不可欠だったのが「透明感」。これをどう表現するか、というのが創作の課題でした。インド産カカオのショコラ・ノワール70%の持つフルーティーさとカカオ感に、お茶特有の渋み(タンニン)が融合して、互いを補完し合い、さらに、華やかさを引き出したのが、ペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・ブラン40%。醗酵を経たカカオ豆から抽出されるフローラルなカカオバターの香りが、ジャスミンの香りをいっそう引き立て「透明感」を見事に表現できました。

マンダリンティー
◆マンダリンティー

ペルー産カカオとのマリアージュが導き出す
爽やかな柑橘香とセイロン・ウバ茶の深い味わい


素晴らしい香りのスリランカ産マンダリンティーとの出会いが誕生のきっかけ。こちらは、青い状態のまま収穫されたマンダリンオレンジの果肉部分をくりぬいて一旦乾燥させた後、さらに中にウバ茶を詰めてじっくりと真空で乾燥させた、皮の香りを茶葉に移し込んだ創作紅茶。マンダリンオレンジのフレッシュ感や皮の苦みと極上のマリアージュを生み出したのが、華やかな香りとミルキーな甘みを併せ持ったペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・オレ48%。口の中で立体的に広がる香りとカカオの余韻が力強い印象をもたらす一品。

長命草×パイナップル
◆長命草×パイナップル

屋久島のテロワールが導いたマリアージュ
ペルー産カカオのショコラ・オレが繋ぐ苦味と酸味


シェフ小山のパーソナルトレーナーの出身地であり、社員旅行でも訪問したことのある小山ゆかりの地「屋久島」の素晴らしい気候で育ったエネルギー溢れる素材「長命草(ちょうめいぐさ)」を使ったショコラ。長命草は海辺に自生しているため、海風の影響で塩味も宿っているうえ、その苦み故に「ふきのとう」のように現地では天ぷら料理に使われる素材としてポピュラーであることを知った小山が閃いたのは、「油の多い料理に使われることが多い=ショコラによく合う」ということでした。その個性的な苦みをペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・オレ48%でまろやかにしつつ香りを引き立て、下層に配したパイナップルのパート・ド・フリュイでフルーティーな酸を合わせて軽やかな余韻のショコラに仕上げました。

タリースーチョン&白州18年
◆タリースーチョン&白州18年

スモーキーさを共通項にして
カカオで繋がるキームン×ジャパニーズウィスキー


松の葉でスモークして独特の燻製香を付けたキームンの茶葉「タリースーチョン」と、スモーキーで熟成感を感じる味わいの国産ウィスキー「白州18年」が響き合う、個性的なショコラ。タリースーチョンは、薫香と相性が良いグリーンノートを持つエクアドル産アリバナシオナル種カカオのショコラ・オレ50%がスモーキーさをまろやかにしつつ香りの伸びを引き出し、白州は華やかな香りのペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・オレ48%と、スモーキーなパプアニューギニア産カカオのショコラ・ノワール70%を合わせたショコラがその個性を最大限に引き立てて。紅茶とウィスキーが“スモーク”を共通項に抜群のマリアージュを発揮しました。

テハテ(オアハカのカカオの飲み物)
◆テハテ(オアハカのカカオの飲み物)

メキシコ産カカオとコーンが表現する
メキシコの風土と歴史を感じるショコラ


メキシコで「カカオの花(ロジータ・デ・カカオ)」と呼ばれる花とカカオ、そしてトウモロコシ、アーモンド、マメイの種をすり潰し、それらを混ぜ合わせて作られるオアハカ地域の伝統的な飲み物「テハテ」をイメージそのままに、ショコラで表現しました。上層は、メキシコ産のホワイトカカオのショコラ・ノワール70%、さらにアーモンドの香りと味わいを特殊な加工で閉じ込めたクーベルチュールを合わせたガナッシュにカカオの花の香りを閉じ込めて。下層は、フリーズドライのトウモロコシを食感が感じられる程度に潰して混ぜ込んだ、粒感が面白いプラリネアマンドを。カカオとトウモロコシの文化で生きてきたメキシコの風土が感じられる一品です。

野生白芽
◆野生白芽

やさしく広がる爽やかな香りの余韻
ペルー産カカオだからこそ実現できた表現


とある京都のイタリアンで食後に供されたお茶。シェフ小山が「そのフルーティーな味わいに驚いた」というのが、このショコラに使用した樹齢数百年というツバキ科の植物の芽を白茶にした「野生白芽」でした。その味わいを引き立てるのが、華やかな香りのペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・オレ48%です。一層のボンボンショコラでありながら、カカオと素材のマリアージュが生み出したその立体的な味わいと伸びのある白ブドウを思わせる爽やかな香りは、心地よい余韻を導いてくれます。

マガオ(ベトナム産山胡椒)
◆マガオ(ベトナム産山胡椒)

フルーティーかつスパイシーな味わいが魅力のひと粒
未知の素材との出会いを楽しんで


中国やベトナムではMAGAO(マガオ)と呼ばれている、見た目は胡椒の実のような木の実。こちらが実はクロモジの親戚であるアオモジの実。レモン、ライム、グレープフルーツのような柑橘系の香り、スパイシーさ、そして心地よい苦味と強い柑橘類の風味、ほのかな甘みなど、複雑な味わいを内包する高いポテンシャルに惹かれ、その香味をボンボンショコラで表現しました。 極上のマリアージュを生み出したのはペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・オレ48%。華やかな香りとほのかな酸味、やさしい甘みがマガオの持つ複雑な香味を引き立てつつも、丸みを宿し、心地よい味わいのショコラに仕上がりました。 お口の中にフルーティーさとスパイシーさが共存する、奥行きを感じるショコラです。