Concept

Fair Trade Chocolat

【What's Fair Trade?】 エスコヤマのフェア・トレードアイテムには、「KAOKA」というフランスのメーカーがエクアドルの農園からフェアトレードによって仕入れた、オーガニック栽培のカカオを使用しています。フェアトレードとは、生産者から原料を適正な価格で継続的に購入すること。それによって、これまで弱い立場とされてきた生産者の生活の安定化を図るとともに、相互のフェアな関係を築くことを目的とした取り組みです。

— Inside story for Fair Trade — ダニエル少年との出会い

【Inside story for Fair Trade】 ダニエル少年との出会い 2009年、私はカカオの原産国である南米・エクアドルの地を旅しました。その際に訪れたとあるオーガニック・カカオ農園で、ダニエルという一人の少年と出会いました。この少年が大人になったとき、もっと楽しくカカオを栽培できる環境が整っていて欲しい、という気持ちから、私はフェアトレードに参画することを決意したのです。 故ドゥベール氏の遺志を受け継いで 「KAOKA」の社長、故アンドレ・ドゥべール氏がなくなる直前に、フェアトレードカカオの未来を私に託されたことによって、その決意はより強固なものとなりました。私は二人から、フェアトレードにおいて最も大切な「誰かをずっと想う」「伝えたい、繋がっていたいと思うこと」という"絆"の本質を教えられたのです。 その後も私は、世界各国のカカオ生産国を訪れることにしています。カカオが作られる土地の空気に触れ、現地の人々と言葉を交わすことをライフワークとし、新しいカカオとの出会いとともに、作り手との絆をより一層深めていこうと思っています。 パティシエ・ショコラティエ 小山 進

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Concept ショコラの世界は「抑制の美学」。 そう僕は思っている。 複雑なプロフィールを持つカカオと対峙するのは刺激的でありながら、 そこには加えられる水分比の制約、製造や保管環境という制約が厳然と存在する。 ボンボンショコラはあの小さい四角形という制約の中に突き詰めに詰めた表現を求められる。 ストイックだが、どんどんのめり込んでしまうショコラの世界。 それは子どものときに遊んだ、京都の路地裏に似ている。 あの狭い路地は、子どもとっては制約の中で最大限の遊びをクリエイトする場だったと記憶がよみがえる。 ドロまんじゅうをつくり、また明日遊ぶまでどこに隠しておこうかー限られた空間と道具を駆使して、 どれだけ工夫して遊んだことか。 両脇に家が並び、大きな通りから奥へとのびる路地裏は"長方形"の世界だった。 大人になり、成熟したいま、奇しくも僕にとってボンボンショコラという"長方形"の世界は路地裏に重なるのだ。 制約をもってして、魅力的になる世界。 その制約を愉しむことさえできれば、あとのクリエーションは自分次第できわめて自由だ。 時間を忘れて無心に遊んだように、僕はショコラの世界に没頭している。