薪ストーブ

毎年冬の季節になると、お客様に温かさを提供するためテラス横に設置されている、薪ストーブに火が灯り始めます。薪ストーブは毎年、入社1年目のスタッフが当番制で管理を行っています。まだ入社してから半年経っていない私も管理メンバーの一人です。
朝に火をおこし、営業中は火の調整をしながら薪をくべ、営業終了後にストーブの掃除を行う。みんな業務の合間を縫ってお客様に少しでも暖をとっていただきたいという一心で、作業しています。

私は実際に薪ストーブを見ることが初めてで、もちろん薪のくべ方、火の管理の仕方、ストーブに対しての注意点など、先輩から様々なことを教えていただくまでは何も知りませんでした。正直に言ってしまうと、「ただ単純に火が消えないように薪を入れていけばいいのだ」と思っていました。しかし、説明を聞けば聞くほどそんなに単純なものではありません。
薪の種類、薪の置き方、薪を入れる分量…、その時の火の燃え方によって変えなければいけませんし、薪の入れ方によっては途中で燃え尽きてしまい、火が消えてしまうことも。特に今年は薪が例年よりも乾燥しており、燃える速度も速いのだとか。だからこそ、どう入れたら長く燃え続けるのかを考えながら作業することが大切なのです。

私はオープンの時間帯に薪をくべることを任されています。30分に一度火の様子を確認する必要があり、この時間帯は私以外にあと2名のスタッフとともに、お互い気が付いたら火の様子を見に行くようにしています。
ある日、薪をくべていると珍しそうに薪ストーブを見ていた子どもたちが「本物の木を入れてるの?」と声をかけてくれました。「本物の木だよ。熱いから気をつけて見てね」というと、頷いて門の後ろから薪ストーブを見つめていました。すると、門をじっと見つめていた男の子が「このコウモリかっこいい!」と言いました。その言葉から次々と「下はガイコツ?」「これがカギなの?」「パチパチ言ってる!」と子どもたちが気付いたことを私に話しかけてくれました。

今回、薪ストーブを見ていた子どもたちが、私に「すぐに聞きたい、知りたい」と思ってくれ、色々質問をしてくれたことがとても嬉しかったです。そして、子どもたちだけではなく薪ストーブでもっとたくさんのお客様に温まっていただいて、お土産話の一つに加えていただければ、と改めて感じることが出来ました。
ちなみに子どもたちがカッコいいと言ってくれた薪ストーブは聖飢魔Ⅱや仮面ライダーなどの衣装を手掛けるJap工房さんがデザインを、制作は鐵音(くろがね)工房の村山さんが担当してくださいました。
依頼した経緯やシェフ小山の薪ストーブへの想いは庭師日記に詳しく掲載されております。
お時間がある際に、ぜひご一読くださいませ。

これからの季節、エスコヤマで大活躍する薪ストーブ。店頭に来られた際はぜひテラス横でちょっと足を止めて、ゆっくりとあたたかな時間をお過ごしください。