2時頃。「Ducobu」で西出パティシエとデュコブ氏に別れを告げ、佐々木さんの古巣、ストッケルの「Mahieu」へ向かいます。白とベージュの穏やかなトーンの店内を歩き、厨房も案内していただきました。その後、さらにイーペルにオープンして間もない新店へ。中に入ると、S字を描くモノトーンのラインや、足元から照らす柔らかな光の演出など、どこもかしこもスタイリッシュ。従来のマイユとは対極をなすスタイリッシュな空間表現がなされていたのです。
「『Mahieu』はオーナーが代変わりをして、まずはお菓子に斬新さやモダンさを加えた。そして今度は店構えです。イーペルの店はある意味で実験的で、床の大理石などにブルーを取り入れつつ、随所に木を使って温かみを出し、従来のお客様にも安心していただける工夫をしています」と佐々木さんは語ります。「『Mahieu』のオーナーはいつかスワロフスキーのような深いブルーをお店に表現したいと考えているのです。本来、スイーツでは青色はタブーなのですが、時代の流れとして挑戦が可能になってきたのですね」。
あの「Mahieu」が、国民的に幅広い層に愛されているあの「Mahieu」が、まさかあの切り口になっているとは…。この旅の最後にベルギーに来て、私はようやく今回の旅の手応えを感じました。
パティスリーが個性の表現に挑む。日本、ベルギー、フランス、そして世界中で、そういう時代に来ているのかもしれませんね。
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| マジパンはベルギーでは国民的なお菓子。ショコラをかけてそのまま食べたりする |
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| 厨房で岡田パティシエは返事をするまで「ボンジュール」と言い続け、マイユの職人さんたちを笑わせた |
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