堀田パティシエのパリ&ベルギー研修旅行<後編>

4日目:10月27日祝日のパリ。一流のホテルで、一流の方々の言葉に触発される

パティスリーや製菓道具専門店を巡って

祝日ということもありパリ市内は混雑していました。真っ赤な洋服におかっぱの髪形、テンションが高く良くしゃべられる、とても印象的なガイドさんと合流。土屋シェフは「マイケル・ジャクソンに似てるよねぇ」とおしゃっていました(女性ですが)。そして、まずパティスリー「ラデュレ」へ。店内は宮廷のような豪華さで、小山シェフはマカロン、クイニーアマン、タルトタタンを購入され、マカロンに使われているアーモンドプードルの粗さに注目されていました。移動中、凱旋門に大きなフランス国旗が掲げられているのを見て、土屋シェフに尋ねると「日本でも日の丸が掲げられるように、祝日になったら掲げられる」と教えていただきました。製菓道具の専門店「モラ」では、色んな道具が置いてあり、青の色粉や、抜き型、マジパンスティックなど、日本ではあまり手に入らないものを購入しました。
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ディナーの席で気づいたこと part.2 ~出会い、影響し合うということ~
午後5時半、ホテル「アンバサダー」に到着すると…、今まで以上にさらに大きく豪華なホテルでまたもや感動!このツアーで泊まるホテルは一流の所ばかりを選ばれているとのことでした。夕食は日本食「YEN」という高級な雰囲気のそば屋へ。夕食の席で、シェフから「どんどんお互いに影響しあうべき!自分(シェフ)達の代は、凄い人が多いのではなく、ただお互いに影響し合って頑張ってきたものが、今、形になり評価されている」と言われました。こうして出会えたことが相手にとって、これから意味のあるものになるように、もっと自分も頑張らないといけないと思いました。
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5日目:10月28日パン屋・パティスリー・ギャラリー巡りの一日

陽気なパン職人に感心! そして、あのシャンデリアを発見
陽気なパン職人に感心! そして、あのシャンデリアを発見
少し、早起きして、元テオブロマのスタッフで、今フランスでスタジエをされている方のお店「エグリーズ」を見学させていただきました。今まで見た工房の中でもかなり広く、パンを焼く大きな石窯があり、壁にはたくさんの棚に道具がしっかり収納されていました。そこで、パンの成形をされていたフランス人の職人に、陽気な方がいらっしゃいました。なんと5メートルくらいに伸ばしたパンの生地を、素早く切りながらも、悠々と口笛を吹きながら余裕を見せ、周りのムードを作っていました。「うちの店にもほしいなぁ」とシェフも興味津々。ホテルに戻り、朝食をとっている時、そこでエス コヤマの新しいコンフィチュールとマカロンの店で使うシャンデリアと同じものを発見!パンの店を見学した後に見るとは縁があるもので、とてもカラフルなガラスのシャンデリアが美しかったです。
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さらにパティスリー&ギャラリー巡り

バスでパティスリー巡り。まず、「ミッシェル・ショーダン」へ向いました。店のディスプレイに、ショーダンさんが小さい頃から使っていた、ノートや絵が飾られていました。それを見たシェフは「やはり今の時代は、物だけではなく、その作り手自身、生まれてから現在に至るまでの道、つまりオリジナリティが尊重されるんや」と、確信されていました。次に「ジェラール・ミュロ」でマカロンを購入し、近くにあったギャラリーへ行きました。シェフは果物の絵を探しておられて、「何に使われるのですか?」と自分が尋ねたところ「どこかで必要になる時があるかもしれんから」とおっしゃっていました。コンフィチュールの店のためでしょうか。シェフを見ていると求めるものは引き合うということを感じます。物との出会いもそうだし、人との出会いも・・・。その後「ピエール・エルメ」に行き、マカロン、クグロフ、クイニーアマン、カヌレを食べたのですが、焼き方が上手く、とても美味しかったです。そしてパティスリー巡りのラストは、以前より小山シェフとの交友がある青木シェフのパティスリー「サダハル・アオキ」に行きました。工房を見せていただき、2階のお菓子教室で、トリュフキャラメルサレ、3種類の生ケーキ、生姜とあんずのミルクチョコレート、チーズクラッカーを出していただき、お酒を飲みながらユーモアたっぷりの青木シェフの話を伺いました。
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ディナーの席で気づいたこと part.3 ~自分から発信する努力について~

夜は、今フランスのレストランでパティシエをされている井沢さんに、「グランカスカード」という1つ星のレストランへ連れて行っていただきました。(井沢さんは昨年、渡仏される前にエス コヤマで2ヶ月間研修されていました。)土屋シェフのご友人であるMOF(フランス最優秀職人)の称号を持つ有名なシェフも同席してくださったためVIP待遇。一品プラスしてくれたうえ、ウィエイターも目を光らせしっかりサービスしてくれました。しかし、その席で、自分から会話を広げることができずにいると、土屋シェフに「せっかく一緒にテーブルを囲んでいるのに、どうして自分から話を広げないの?」と、自分がここにいる意味を問われ、はっと自分の小ささに気づかされました。自分から会話を発信する努力をするためにもっと色々なことを知らなければ…「知りたい!」と思いました。





6日目:10月29日最後の大イベント!チョコレートの見本市「サロン・ドゥ・ショコラ」へ

土屋シェフの顔の広さとサービス精神はアッパレ!
ホテルからメトロで移動し、この旅の最大の目的でもある「サロン・ドゥ・ショコラ」の会場へ。毎年秋に行われるチョコレートの見本市です。開場の10時前には長い行列ができていました。このイベントではショコラトリーの出展だけではなく、カカオの展示コーナーや、コンクールの作品展示、ショコラやお菓子をモチーフにした家具、ショコラの化粧品など、ショコラに関するありとあらゆるものがありました。土屋シェフと会場を周っていると、土屋シェフはフランスでも有名なシェフをはじめ、出店されているほとんどのショコラティエとお知り合いで、その人脈の広さに驚きました。また、偉大な方達を目の前にして自分は舞い上がるばかりでした。
そんな顔の広い土屋シェフですが、会場内のショコラエステ体験コーナーに参加され、手にカカオポッドを持ち、顔中チョコまみれで、気持ちよく眠る姿を見せていらっしゃいました。その場は一時、人だかりが出来るほど。凄いサービス精神をお持ちの方だと、私は感心するばかりでした。一日中食べ歩き、ファッションショーを見たりしてイベントを満喫。小山シェフも会場中から新しいアイデアを収穫されていたようです。
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輪が広がって来年のパティシエロックナイトも楽しみ!

夜は、佐々木さんご夫妻と、「ピエール・マルコリーニ」でスタジエをされている鈴木さんという女性と、中華料理を食べに行き、ホテルへ戻った後、シェフが日本から持ってきた「パティシエロックナイト」の上映会をしました。もしかしたら佐々木さんやテオブロマのスタッフの方たちが、来年のロックナイトに参加されるかも!という話しに発展して、ひとつ楽しみが増えました。夕食後カフェバーに行き、ツアー参加者の方達と話をしたり、小山シェフや土屋シェフの話を聞いたりで最後の夜も充実したものでした。




この研修旅行を終えて・・・・

今回は、夏の社員旅行とは違い、小山シェフとずっと一緒に行動させていただいたということもあって、たくさんのことを学ばせていただきました。その中で、改めてシェフの凄さを感じ、エス コヤマで働けることを誇りに思えました。また、自分にはまだまだ知らない事がたくさんあるということや、未熟で至らない部分を知る事ができ、もっともっと興味を持って、色々な勉強していきたいと思いました。いつもとは違う角度で自分のことを見ることができたこの旅。気付けたことや得たものを、しっかりと伝えていくことが出来るように頑張っていきます。
本当にありがとうございました。

 

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