パティシエエスコヤマ研修旅行記2016

Vol.12 ダナンの町と自然を訪れて WRITER:松田 たすく

海外研修旅行ダナンでの自由時間のレポートを担当させていただきます焼きたて菓子マルシェの 松田 たすくです。
僕は入社して2年目で今回初めて海外研修に参加させていただきました。
昨年の研修旅行はフランスで今年はまったく環境が違う東南アジアのベトナムでしたのでどんな雰囲気で日本とはどんな違いがあるのかすごく興味がありました。

宿泊したホテルは「ハイアットリージェンシーダナン」というリゾート&スパのホテルでした。リゾートということもあり広大な敷地はモダンで明るい雰囲気で建てられてからまだ数年ということもありとてもきれいでした。目の前にはプライベートビーチとプール、ボルタリング、テニスコート、ビーチバレーのコート、また後でご紹介する「五行山」が見えます。
また客室も豪華でした。ベッドルームとリビングが分けられておりリビングにはなんとキッチンまでついているという驚きまでありました。これまでにこんな部屋に泊まったことがないくらいでした。

そしてここからダナンの市内に移動するため同じ年に入社した方々とホテルでタクシーを呼び最初の目的地である「ハン市場」へと向かいました。タクシーを走らせること約10分ほどで目的地に到着しました。支払いでも驚かされたのですが料金が14万ドン。日本円にして約750円程度でした。日本でしたら2000円くらいでもおかしくない距離ではありました。

タクシーを降りてハン市場に入りました。

まず最初に感じたのが「匂い」です。肉や野菜、乾物、お酒、衣類などが市場に集合しているせいか何の匂いかわからず気持ち悪くなりました。これは日本人の方や慣れてない方なら思ってしまうのではないかなと思います。そしてもう一つがお店の方の積極性です。日本人の観光客が多いからだとは思いますがほとんどの人が「お兄さん、見ていって」などと声をかけてきます。手を無理やり取られたり、などは普通のことみたいでした。人も多いせいかひったくりもあるみたいで荷物はしっかり前にもって対策をしました。日本では余り考えられないですが生ものを外に出しっぱなしで売っていたりしておりました。外国へ行くと日本の「当たり前」「常識」がひっくりかえることもあるんだなと感じました。
僕は次の目的地に向かうためハン市場を後にしました。

次の場所まで歩ける距離でしたので歩くことにしました。思っていた以上に距離があり気温35度の中を歩くには厳しかったです。目的地に近くなると大きい渦巻きになっているタワーが見えてきました。

調べたところダナン市の行政タワーでした。日本の市役所とは大きさも形も全然違いました。
そしてそこから5分程で目的地の「Danang Souvenirs & Café」に到着しました。

こちらのお店はお土産屋さんとカフェが併設されているお店です。
まず暑さに負けてカフェに入りました。カフェということでコーヒーからアイス、スムージー、ヨーグルトジュース、カクテルなどのアルコールも販売していました。僕はその中でも「ドラゴンフルーツジュース」を注文しました。普段食べることがあまりないのでどんな味か気になったからです。そして数分後に来ました。

ジュースの色も果実の色もすごく赤く少々インパクトが強かったです。気になった味は、食べてみるとスイカとキウイの中間みたいな感じがしました。
酸味はなかったのですが甘味はありますがすごくさっぱりしていてとてもおいしかったです。
ドラゴンフルーツはベトナムや中南米の国が原産国でサンカクサボテンの果実の総称であり、 もとは「ピタヤ」といいます。日本ではほとんど見かけることはないですがまた食べてみたいと思うほどにおいしかったです。
飲み終わりましたら隣のお土産屋さんに行きました。
ベトナムらしい刺繍製品や笠帽子、Tシャツやかわいらしいイラストのマグカップなど室内もそうですがとてもお洒落な雰囲気のセレクトショップでした。僕はベトナムで作られたクッキーと名物の蓮のお茶を買いました。ほかにもお茶の生産者の笑顔がプリントされたユニークなものもおいてありました。

その後はジェラートを食べに行くために歩きました。15分ほど歩くと「ブールバードジェラート&コーヒー」という目的の場所につきました。こちらの店主はイタリアでジェラートの修行をされた方でベトナムの材料を使ったものを食べられるとのことで伺いました。定番のストロベリー味からドリアンなどのここでしか味わえないだろうフレーバーがありました。僕はストロベリーと塩キャラメル味を注文しました。

日本のジェラートより味がしっかりとしていましたが甘さはそこまで強くはなかったです。塩キャラメルは塩味がとても強く感じました。暑い国だとあせもでるので塩味が強いのではないかなと思いました。

その後徒歩5分程度の場所にある「ダナン大聖堂」へ足を運びました。

まず気になったのがこんな町の中心部に大聖堂があるということです。教会というともう少し静かなところにあるイメージですが交通量もたくさんあり人どおりも多い場所にありました。そしてこのきれいなクリーム系のピンクです。黒や白の建物が多い中でとても珍しくきれいな色でした。また大聖堂の裏手には聖母マリアの銅像やイエスの石像もありました。教会のてっぺんには風見鶏がありました。地元の方々は「鶏教会」と呼ばれ親しまれているそうです。ベトナムの人口の8割は仏教徒ですがそうとは思えないほどキリスト教徒が多いそうです。実際この大聖堂にはイエスやマリアの石像があり地元の方々がお祈りをささげるためにたくさん来るくらいです。日曜日には欠かさず礼拝をし夜のミサの時間になると教会と周辺では大勢の教徒で賑わうそうです。僕は見られなかったのですが教会には聖歌を教える学び舎がありそこで先生がピアノを弾いて子供たちが歌う姿を見られるそうです。ミサ以外の時間でも定期的にコンサートをしておりホーチミンにある聖母マリア教会前でも見ることができるのでクリスマスの日などを狙うと聖歌隊の声が聴けるとのことでした。次の目的地に行くためにダナン大聖堂を後にしました。

小腹も好きのども乾いてきたので近くにあったベトナムのカフェチェーン店の「Highland Coffee」へ行きました。店内は快適で清潔感がありました。僕はここで「キャラメルコーヒースムージー」を頼みました。これで300円ほどです。

日本でいう甘めのコーヒーのところにコーヒーゼリーを入れ上にホイップクリームを乗せたものです。日本人の口にもよく合いました。
次に1ブロック先の道路でバインミーという日本でいうサンドウィッチを食べました。

バインミーはフランスによる植民地支配の後パン食の文化が広がったものです。
フランスパンには米粉が入っており空気を多く含んだとても軽いバゲットに野菜やお肉、パテなどを挟んである、ベトナムのファーストフードです。これがとてもおいしいのです。別の日もいれて僕が食べるのは3回目でしたが全部おいしかったです。卵焼きが入っているのもあれば、パンがバゲットじゃないものもあり、その地域やお店によって違うのかなと思います。

その後本日のメインである「五行山」別名「マーブルマウンテン」へと向かうためタクシーで向かいました。なぜ行きたかったのかといいますと洞窟が幻想的と聞いてどんなものなのだろうと気になったからのと、山が好きで、さらには大理石の山といわれるのが気になったからです。
ホテルから見えるくらいの距離にあり標高も108メートルとそこまでは高くありません。 五行山の入り口につきました。

入場料は75円ほどでした。まずは正面の「アンフー洞窟」に行きました。

入り口からすぐに洞窟ですごく風の通りもよく気持ちよかったです。中は天井がとても高く狭い道なども多く少し探検気分で行けました。進んでいくとところどころに仏壇や光っている仏さまがありすこし近代的な雰囲気もありました。この洞窟の展望フロアに行ったのですが階段がとても急でした。

わかりづらいかもしれませんが、下を見ると足がすくみそうになるくらいです。また通り道が本当に狭く不安定でした。人がすれ違うこともできないくらいです。展望フロアからの景色はきれいでしたが高さが低いこともあり景色はそこまで。
次からが本山です。まずはエレベーターでサーロイ塔と展望フロアまでいきました。

サーロイ塔は六角形をした7重の塔です。その内部にはお釈迦さまが祀られています。そしてここから階段を上り続けると「ヴァントン洞窟」に行く道があります。

中には仏壇が安置されており天井からの光が差し込んでいます。その仏像の奥には小さな道があり少しずつ上ると開けていました。上からは光も差し込みなにか鳴いてるなと思い目を凝らしてみるとコウモリが岩について休んでいました。とても可愛いかったです。
次は天国の扉と書かれた展望フロアに行きました。階段と頂上付近の大理石のつるつるした岩がとても上りづらく苦戦しました。しかし頂上に着いたら達成感と景色の良さに疲れが少し飛びました。

展望台から道なりに進むと「タムトン寺」というお寺にでました。こちらではお坊さんがずっと何かを唱えていました。お寺はそこまできれいではなかったもののお花やお庭、仏像はきれいに整えられていました。
続いて最後の洞窟の「ホアギエム洞窟」「フィエンコ洞窟」です。二つはつながっています。そして一番大きく神秘的な洞窟といわれています。
最初はホアギエム洞窟です。

玄空關と書かれた古い門がスタートで進むと奥に洞窟が見えてきます。入り口の近くには観音像が祀られています。その先に進むとフィエンコ洞窟が見えてきました。

想像の遥か上をいく大きさで、中には仏像がいくつか安置されていました。上を見上げると大きな穴が開いておりそこから差し込む光がとても幻想的な空間を作り出していました。この開いた穴はベトナム戦争の時のアメリカ軍の空爆によって開けられたものだそうです。
この開いた穴を見るとよく周りの寺院などそのままの状態で残っていられたなと思います。
そして後は出口に出る道を歩いたのですが全く別の道に出てしまいました。どうやら反対側に来てしまったようなので下山してからそちらの道まで歩きました。すると道中にたくさんの大理石や水晶のお店や仏像を作っているお店がありました。本当にきれいですごい職人技だなと思いました。

最初いた場所にもつきタクシーで帰ろうとしたのですがタクシーがなくホテルまで歩いて帰ることにしました。ここまでで山を登り始めてから2時間経ちました。そこまで時間はかからないだろうと思っていましたが想像以上の険しさで体力が消耗しました。20分くらい歩きホテルに到着後、汗をすごくかいたので、水着に着替えて30分程プールで泳ぎました。
そうしたらおなかもすいてきましたので、食事をとるため、着替えてホテルの中のレストランに行きました。 僕は久々に日本でも食べなれたものを食べたくて、マルゲリータとハンドメイドと書かれたパスタとオレンジバニラフロートを注文しました。

マルゲリータとオレンジフロートはいつも通りでしたがパスタが思っていたのと違いました。
なんだこの丸いの!と思ってしまうのは僕だけじゃないはずです。ひとまず食べてみると確かに周りの生地はパスタの麺の感触ではありました。中はほうれん草みたいな野菜が入っていましたがおいしかったです。パスタと言ったら麺という僕のイメージを見事に覆してくれました。これも海外にいって食べたからわかったことだと思います。

研修を通して感じたことは今当たり前と思っていることはすごく幸せなのだということです。ベトナムに行かせていただいていままで普通にできていたことができなかったりすることが本当に多かったです。こちらの常識もあちらでは非常識とまでは言わないですが考えられなかったり、その反対でベトナムで当たり前のことが日本では通用しないなどたくさんありました。僕たちが今働いているエスコヤマは本当に恵まれている環境であります。自然が広がりお客様にもたくさんお越しいただいたり、庭には松下様が考えて植えてくださったお花や草木があります。製造も仕事がしやすくなるための機械や材料がたくさんあり他のお店ではおかれていないだろう量があります。きっとヨーロッパなどでは感じられないことだと思います。これからも日々精進しお客様においしかったありがとうと言ってもらえ続けていただけるよう頑張っていきます。