hanare

hanareでしか味わえないデセールたち

Vienessa ビエネッサ

¥880 / 単品
¥1,320 / セット

    販売予定期間:2023/6/30(金)まで

    コロンビアのおふくろの味と菓子職人の父の昔のスポンジがリンク

    2014年にシェフ小山がカカオハンティングに訪れたコロンビアで、カカオハンター®小方真弓さんのお仕事のパートナーの、ナチョさんのお母さんにふるまっていただいたお菓子にインスパイアされ完成させた一品。コロンビアでは主流のパネラ(未精製の砂糖)を、同じくさとうきびを原料とする素焚糖に置き換え、甘みを抑えたスポンジ生地に。そこに、マダガスカル産バニラがふくよかに香るアングレーズソースをたっぷりと染み込ませました。ふんわり、しっとりとしたスポンジ生地がもてはやされる現代のトレンドに逆行し、あえて弾力がある粗めの生地をベースにすることで、ソースをたっぷり含んでも、お口に運ぶまではしっかりと保形したまま。ひとたび口に含めば、ソースとともにスポンジ自身もとろけるような、新しい食感が生まれました。表面を覆う生クリームもあいまって、ナチュラルな甘さとえも言われぬ優しい食感が、心地よく響きあいます。また、仕上げにスタッフがお客様のテーブルで細かくミルするコーヒー豆の香りが嗅覚を心地良く刺激し、深い苦みが広がる好アクセントに。スポイトで別添えしたブランデーを好みで垂らせば、芳醇な風味が加わりいっそう奥深い味わいに変化します。

    このお菓子のテーマとなったのは、「古いものの中に新しさを見つける」こと。
    これは、シェフ小山がカカオを求めて中南米を訪ねる意味にもリンクします。
    メキシコの古代アステカ文明が発祥と言われるカカオがそうであるように、
    中南米は文明に脅かされることなく独自の伝統を守り続けてきたものや、
    あらゆるものの"起源"を感じさせるもので溢れた場所です。
    つまり、古くからの風土や文化がそのまま受け継がれているところには、まだまだ知られざる、
    自分たちにとっては"未知のもの=新しいもの"が眠っているとシェフ小山は考えているのです。
    今回新たに創り上げたスポンジも、同じく菓子職人の父が作っていた"昔のスポンジ"を思い出しながら、
    「あの生地ならきっとソースをたっぷり含んでも大丈夫では?」
    「もう少し砂糖は控えていたはず」「もっと粗かったのでは?」と試行錯誤して生まれました。
    そうして過去のものとされていることを改めて客観的に見つめ、そこに意味を見出しスポットを当てることで、
    アングレーズソースをひたひたになるくらいに染み込ませてもサバランのように保形できる、
    一見古く、かつ新しいスポンジ生地にたどり着いたのです。
    このアイデアは、小麦粉が決して豊かではない国で、
    スポンジ生地をよりおいしく味わうために生まれたのではないか、とシェフ小山は考えます。
    ものづくり人として「より良いもの」を求めるのは当たり前のこと。
    その精神を時代も国も飛び越えて伝統の味から感じ取り生まれた、"新しい故郷の味"をお楽しみください。

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