パティシエ エスコヤマ研修旅行

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es koyama IN FRANCE 2015

Vol.12 4日目 Patisserie SÈVE 訪問 WRITER:茨木 未奈弥

入社2年目の焼き立て菓子・マルシェ担当の茨木です。
研修旅行4日目、フランス ローヌ地方リヨン市に7店舗のお店を構える「Patisserie SÈVE」についてレポートさせていただきます。

PatisserieSÈVEは日本への出店はなく、リヨンに来たときしか行くことができないのでとても貴重な経験になりました。
オーナーシェフのリシャール・セヴさんと小山シェフがお知り合いになったのは、数年前のエスコヤマ研修旅行で、Patisserie SÈVEを訪れたことがあり、その際にセヴさんの奥様のガイルさんともお会いし、会話が弾んだことがきっかけだとうかがいました。
次に日本に来られた際にはお食事を、という約束をし、実際に来日された際にエスコヤマも訪問してくださったそうです。その後、セヴさんのご家族と小山シェフのご家族で約束していたお食事に行かれたり、と数年前から親しくされているそうです。

まずは、『リヨン ポールボキューズ市場店』へ行きました。
ポールボキューズ市場には色とりどりの野菜、様々な種類のチーズ、大きな塊の大迫力のお肉が並んであり、目移りするお店ばかりでした。

私はエスコヤマで焼き立て菓子「マルシェ」を担当させていただいていますが、今回、本場のマルシェを初めて体験しました。
小山シェフはフランスのマルシェを見られて、引き付けられるような活気の良さと、お店中に広がる焼き立ての香り、目の前でオーブンからお菓子が出てくるライヴ感、一番おいしいアツアツの焼き立てを食べられる、というマルシェにしかできないことを、店頭のお客様に楽しんでいただきたいという想いから、エスコヤマにもマルシェを作られたと聞いています。
本場のマルシェに負けないように、活気あふれる、お客様に楽しんでいただけるライブ感を大切にし、今までよりもパワーアップしたマルシェを見ていただけるように全力で頑張っていきます!

さて、市場の中を歩いていくと、賑やかなマルシェの一番奥に、きらびやかな赤いシャンデリアが目立つお店が!

ショーケースに並ぶたくさんのケーキ、マカロン、ショコラにうっとりしてしまいます。 キラキラと、そして堂々とキレイでカッコイイです。

そしてセヴさんから最新の店舗にぜひ小山シェフに来てほしいとお誘いいただいたとのことで、小山シェフ、管理本部の井田さん、広報の伊藤さんと私で行かせていただくことになりました。普段、シェフと一緒に行動することはまだあまりないので、とても緊張しましたがとても嬉しかったです。
市場からバスで10分程の距離にある、『ギャラリー ラファイエット』という百貨店に到着。お店の外側のショーウィンドウには赤のSEVEという文字が見えます。

セヴさんに案内していただき店内へ。

お店は洋服やリビング雑貨、化粧品売り場などに近い場所にありました。
ショーケースの中は、とてもカラフルで、パッと見ただけでは味の想像がつかないものも多くありました。

小山シェフが「これ、おもしろいな!」とおっしゃっていたのは、メレンゲの中にヘーゼルナッツのプラリネを入れた焼き菓子です。サクサクで、口の中でシュワーと溶けるのに、残るのは濃厚なプラリネです。

お菓子だけでなくディスプレイにもたくさんのこだわりがあり、目を引きます。
こちらは昔の機関車の部品を、商品をディスプレイするテーブルとして使用。

こちらは昔のポストカード入れで、実際にフランスの郵便局で使用されていたそうです。

中には、腹筋が割れた上半身の形のチョコに、水着柄などのデザインでパッケージされていました。
アンティークな什器は、少し色あせていたりするのがとてもかっこよかったです。

お店のケーキを食べることが出来るカフェ。バリスタの方もいらっしゃり、コーヒーなどのドリンクも飲むことができました。
小山シェフも注目していたイスは、色・形がとてもシックです。
ここに座ってオシャレな雰囲気にひたって食べたい、そういう気持ちにさせられる空間でした。

席につくと、テーブルの上にたくさんのケーキを並べてくださいました。

小山シェフがケーキを食べると、セヴさんは「どう?」と何度も聞かれていました。
聞きたい!伝えたい!という気持ちがとても強く伝わってきました。
とあるケーキを見て、小山シェフが「このケーキは、見た目が似ているから、名前を“桶”にしよう!」とおっしゃると、セヴさんは「面白い!名前を変えようかな」と笑われていました。

セヴさんの奥様でのガイルさんも、「次、日本に行った時には、本物の桶を見せてくださいね。」とおっしゃっていました。「面白い」と感じられることがあると、セヴさんとガイルさんのコンビネーションはとても行動的です。

サーモンが入った焼き立てのクロックムッシュ。

お皿の縁には、お店でローストしたというカカオ豆が添えられていて、とても良い香りでした。

こちらは小山シェフも「おいしい!」とおっしゃっていた、トリュフの香りを移した生ハム。

私は、初めてトリュフの香りをかぎました。
どれもこれも「おいしい!」の連続でした。
こちらのお食事も実際にカフェで出されているメニューだそうです。

最後にはマカロンとコーヒーまで用意してくださいました。

セヴさんのマカロンの特徴は、アーモンドプードルに粒子が粗く、ホロっと崩れる食感です。 口の中には使っているフルーツなどの味がフレッシュにストレートに伝わります。
コーラのマカロンは、よくお菓子で食べる「コーラ味」ではなく、コーラそのもののリアルな味でした。

食事中セヴさんはもちろん、奥様のガイルさんともお話しできました。
驚いたことに、ガイルさんは美大のご出身で、店内のインテリアやケーキのデザインなどもガイルさんが考えられているのだそうです。
「ステキな物を見たり刺激を受けると、じっとしていられず、すぐに行動に移したくなるのよ」とおっしゃっていました。
小山シェフがエスコヤマのショコラトリー”Rozilla” の写真をお見せすると、「明日、日本に行くための飛行機を予約しなきゃ!」と笑顔でおっしゃっていました。

今回、Patisserie SEVEで小山シェフとセヴさんとの席に同行させていただき本当に貴重な経験をさせていただきました。
セヴさんとガイルさんの、楽しいことが好きで、行動力あふれる姿がとても魅力的で、 お2人のそんなところがお店にもお菓子にも表現されているように感じました。
「伝えたい気持ちがいっぱい」ということもすごく伝わってきました。
私も、素敵なものを形にできるようにしていきたいです。

小山シェフの隣に写っておられるのは、セヴさんとガイルさんの息子さんです。
エスコヤマのバウムクーヘンが大好きだとおっしゃってくださいました。小山シェフとは以前にもお会いしていて、久々の再会に「大きくなったなあ」とシェフも驚かれていました。 生まれて初めての海外、長時間の飛行機、初めて食べるもの見るものばかりでした。すごく楽しくて幸せな7日間でした。
初めての機会をたくさん与えてくださった小山シェフ、長期のお休みの間、待ってくださっていた皆様、本当にありがとうございました!