Vol.9
18.5.20 (2/2ページ)

4日目:エスペレットピーマンの農園訪問

その独特な味わいで、バスク地方ではレストランやパティスリーでもエスペレットピーマンを愛用するところがあり、辛味の苦手なフランス人にも好まれているのかもしれません。エスペレットピーマンのジュレも試食させていただいたのですが、辛味がありつつも、口の中ではフルーティな酸味と甘みがあり、とてもまろやかな味わいでした。

そのまま調味料として煮込み料理などに使用するのはもちろんのこと、ジュレはチーズやフォアグラ、なんとメロンのコンフィチュールにいれて、味や香りを引き立てているパティスリーもあるのだとか!パウダーはサラダにドレッシングと一緒に和えたりするのにも使われるそうです。

そして小山シェフは、去年の「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOROGY 2017」で、柚子とアーモンドのプラリネと合わせたボンボンショコラを創作しておられました。柚子の表皮を削って作られ、柚子の香りを最大限に引き出した「柚子ゼストパウダー」による香りを堪能している中からエスペレットピーマンの持つスパイシーな味わいを少しずつ感じることができ、最後にプラリネのまろやかな味わいで締めくくられるという作品です。


このように考えてみると、一般家庭からプロの料理人の方まで使用しており、実にいろいろなポテンシャルを秘めている食材だと思いました。


今回の研修では、昨年の作品を食べてからずっと気になっていた食材であるエスペレットピーマンについて、たくさん勉強させていただきました。日本では目にすることが少ない食材ですが、ジュレを食べたことでエスペレットピーマンの持つ可能性を知ることができました。海外の食材を現地で口にできる機会はなかなかないので、この研修旅行は、僕にとってそのことも含めて勉強するためのとても大切な経験でした。今回の経験をもとに、いつも使用している食材の作られる過程や味をちゃんと知り、おいしさを引き出せるようなお菓子作りを心掛けていきたいと感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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