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Vol.11

15年目のグランド・デザイン
エスコヤマが今だからできる、これから目指したい、
こんなこと、あんなこと。

object 01
Patisserie エスコヤマ本店

2トーン史上最強の小山ぷりん× コーヒーゼリー登場。


今年の夏の新作の一つに「小山ぷりん×コーヒーゼリー」がある。 エスコヤマの長年のお客様ならご想像いただけると思うが、そのルックスはいつも通りごくシンプルで、小山ぷりんのトップにコーヒーゼリーを重ねた2トーン構造。 コーヒーゼリーというとそれ自体は特に目新しいものではないが、今回の新作は小山ぷりん歴代の2トーン史上、一番おいしい最強のコラボレーションが完成したと自負している。
今思えば、エスコヤマで自信を持ってコーヒーゼリーを主力商品のパーツに採用するには、15年という長い時間が必要だった、と言わざるを得ない。 私自身が、コーヒーにはミルクと砂糖を入れなければ飲めなかった時代もあり、コーヒーそのものを深掘りしようという意識がなかった。 その魅力を体感し始めたのはショコラの創作に没頭するようになってからのことだ。 ショコラがカカオによって全く異なる味や香りを持つように、今思うと当たり前だがコーヒーも豆の産地や品種、焙煎の度合いによって異なる魅力を持つ。 そう感じられるようになってから、飛躍的にコーヒーに対する理解度が深まった。


今ではショコラを試作する際には、必ずコーヒーを飲んでから始める。 それは、数年前にコーヒー専門誌の特集でコーヒーとショコラのマリアージュをテーマに創作したことや、東京の自家焙煎コーヒー屋さんとの繋がりが出来たことが大きいが、そこのオーナーが送ってくれる様々な産地のスペシャルティコーヒーを豆の解説文を読みながら試飲することによって味覚が研ぎ澄まされ、試作にも良い影響を与えてくれている。最近のボンボンショコラにコーヒーの作品が多いのも、そんな影響がある。 今回、「小山ぷりんに重ねるコーヒーゼリーを考えているので、いくつかご提案いただけませんか」と前述のコーヒー屋さんにお願いしたところ、4種類のスペシャルティコーヒーを送っていただいた。 それを試飲し、4種類ともすぐにコーヒーゼリーにもしてみた。 そして、「これが小山ぷりんと合わせたときに一番美味しい」と選んだコーヒーは、実は、コーヒー屋さんが「ショコラ創作の時には酸を意識して選びましたが、コーヒーゼリーにするとなると、こっちのタイプを選ばれる可能性もあるなと思って・・・・・・」と、念のために入れてくださっていた1種類だったのだ。 これまでの創作を通じたやり取りがあったからこその提案。 見事な想像力で選んでくださったルワンダ産の豆で淹れたコーヒーで作ったコーヒーゼリーは、小山ぷりんとのコラボできっと誰にとっても「おいしい」と感じていただけるベストな組み合わせになったことは間違いない。

object 02
Anniversary Cakeファンタジー・ディレクター

おいしさの絶対条件 理想のスポンジを求めて。


私がSNSで苺のショートケーキの画像をアップすると、必ずと言っていいほど通常より多くのリアクションをいただく。 苺のショートケーキはいつの時代も私たち日本人にとって鉄板のスイーツなのだということを毎度実感させられている。 そのコメントの中で最も多いのが、ショートケーキのスポンジに対する感想だ。 「ふわふわ」「味わい深い」「しっとり」「苺や生クリームとの相性が抜群」など様々なお褒めの言葉をいただいているが、私が創業当初から一番大切にしてきたことをお客様に認めていただけるのは、何にもかえがたい喜びだ。


どこの店にもある苺のショートケーキ。 しかしその中で突出した存在になるためには、まず「スポンジがおいしい」ことが絶対条件だと自分の中で決めていた。 実際、わざわざ三田まで足を運んでいただけるレベルのスポンジを作るために、私はこれまで多くの時間と力を注いできた。 私の理想とするスポンジは、「ほんのり黄色」「ふんわりしてかつ弾力がある」「噛むとキュッキュッとしたコシがある」「しっとりとしてキメが細かい」と言った条件を備えているものだ。 レシピでは全卵に卵黄のみを追加してより濃厚な卵の風味と色みをプラス。 他の材料との配合を緻密に計算し、理想の条件を満たすスポンジを作り上げてきた。 エスコヤマ本店はもとより、昨年オープンしたファンタジー・ディレクターも、誕生日や記念日などのショートケーキをベースにしたお菓子作りが中心となる工房。 本店でのショートケーキへのこだわりや技術を生かし、これからも多くの心踊り、ヴィジュアルも味覚も記憶に残るショートケーキをここからお届けできたらと考えている。


object 03
es Boulangerie エスブーランジュリー

クロワッサンへの“こだわり”。 絶対に一度は食べてほしい自信作。


ケーキ屋なのでパティシエらしい発想を活かしてオープン当初は“パティシエが創るパン”ということで、小山ロールにも使用しているバニラビーンズの入りのカスタードクリームをメインにしたクリームパンを、「とびきり美味しいものにしよう」という思いで創った。


生地にはアーモンドのプラリネを混ぜ込み、表面のクッキー生地もパティシエらしいレシピで創っている。実は、それと同じくらい徹底的にこだわって創り上げたのが「クロワッサン」である。こだわったのは「噛めば噛むほど、バターと融合するデニッシュ生地の甘さ」。 生地の砂糖の分量がすごく重要だった。試行錯誤して出来上がったクロワッサンは、本場フランスからやって来るシェフの方々からも「お前のところのクロワッサン、美味しいな」と、お褒めの言葉をいただくことが多い。 「自国のバターはスゴい」と思われている方々からお褒めいただくのは光栄である。


だから、僕はクロワッサンに自信を持っている。まずはプレーンタイプをお召し上がりいただきたいが、塩気の効いたアンチョビを巻き込んだ「アンチョビクロワッサン」と、生地の中にマジパンを巻き込んで甘さとコクを宿すシュトーレンの考え方でマジパンを巻き込んだ「クロワッサンスイーツ」があり、合計3種類を展開している。「このクロワッサンをパン屋さんの名物にしたい」と以前から思っていたが、エスブーランジュリーのオープンから11年が経った今、長い道のりではあったがやっとそれができるようになったのはうれしいことである。


また、今後は、せっかく敷地内にチョコレート専門店があるのだから、「チョコレート屋さんのパン・オ・ショコラ」を創ろうというアイデアもある。そもそも「パン・オ・ショコラ」はデニッシュ生地にミルキーなチョコレートクリームを詰めたシンプルな商品で、お子さまからおじいちゃん、おばあちゃんまで皆さまが美味しくいただけるパンというコンセプトだが、様々なシングルオリジンのカカオを手に入れられるようになったからこその展開として、個性的な味わいのシングルオリジンカカオを使ったパン・オ・ショコラも考えていきたい。 センターにはカカオニブも入れてみようか、なども考えている。


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