20.11.13 (2/4ページ)
Vol.14

NEXT ACTION!~パティシエは木を植える~

三田から世界へ発信。 お菓子を通じて三田の食文化を豊かにする

一方で、「何でそうやすやすとレシピを配信できるの?」と尋ねられる。 「家庭で美味しいお菓子がたくさん作られるようになったらお店に来られなくなるんじゃないか?」ということだろう。 そんなことは全く心配していない。 むしろ、レシピ配信によってお菓子づくりに取り組む方が増えたことはとても喜ばしいことだと思っている。


そもそも僕がずっと前からやりたかったことは、「お菓子を通じて食文化を豊かにすること」だからだ。 それは食べるだけではなく、作ることもひっくるめての文化のこと。 我々が作るものとご家庭で作られるものとの差が生じないとプロではないし、そのプライドと自信をもって、美味しいレシピ配信をこれからも続けていきたいと思う。


また、来年になると思うが、新しく世界に向けてもっと観て楽しい動画配信を始める準備をしている。 発信元が三田であることをしっかりとプレゼンテーションできる映像も盛り込みながら、三田が世界に誇れることを、僕でしかできない、エスコヤマでしかできないような形で発信していくつもりだ。 直接言葉にすると少々過激に聞こえてしまう話も、お菓子を通じて鋭く表現していきたいとも考えている。


それに加えて、まだ具体的な話ではないが、「もっと周りに樹木がたくさん生えている所にバウムクーヘンの工房を創りたい」という構想もある。 ただ、裏の事情をお伝えすると、三田市は「市街化調整区域土地利用計画」が定められている。 それによれば、土地転換を認めない保全区域、条件付きで土地転換が認められている森林区域、農業区域、集落区域、条例指定区域という形で区域が明確に分けられている。


そのため、「ここにレストランを建てたい」と言っても、細かな手続きが必要なため実行までに時間がかかる。 それを変えるには景観や自然環境、自然の生態系などに配慮しながら柔軟に対応できるような法整備が必要なのだ。


それでも諦めずに、三田の自然を生かした森の中のレストランとして多くの土地が有効活用され、三田を食で活性化できるように、微力ながら前に進んでいきたいと思っている。 三田が美食の街になることを夢見て。


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