21.05.20 (1/6ページ)
Vol.16

持続可能なモノづくり
~What is the true meaning of sustainable?~
サステイナブルの真の意味とは?

今、求められていること

2020年春、withコロナの時代が幕を開け1年が経つが、これを書いている間に3度目の緊急事態宣言が発出された。「新しい生活様式」が浸透し、お客様自身で対策を取ってくださるようになったが、ここにきて変異株の問題が急浮上。 厳しさは増すばかりで、ますます先が見えない状態になっている。


そんななか、自分自身に大きな変化があった。 今までとは違う流れの中での創作に向けて、「心を整える」という意味で有意義な時間が持てるようになったことだ。 それについては後で詳しく述べるが、お客様のなかでも大きな変化があったように思う。 それは、お客様の「選ぶ」ことへの真剣度合いが強くなったということ。 なぜその変化が感じられたかというと、僕のインスタグラムの個人アカウントのフォロワー数が2020年の1年間で3万人以上増えたからである。 きっかけは「レシピ動画の配信」だった。


遡れば1年前、2020年の4月に緊急事態宣言が発出されたとき、エスコヤマも4月13日~30日まで臨時休業をした。 この期間、一切お菓子は作っていない。 もちろん、卵、牛乳などの材料も仕入れはストップ。 毎日お菓子に変身してお客様の元に届く予定だった材料が行き場を無くしてしまったのだ。


そんなことが起こったので、全国のお菓子LOVERの皆さんにもご協力いただいて、少しでも牛乳や卵の消費量アップに繋がれば、という思いでスタートしたのが「レシピ動画の配信」だった。


難易度は初心者の方でもチャレンジしていただけるような初級編を中心に、時々少しテクニックを使う必要のある中級編まで幅を持たせた。 不定期だが、配信はお店を再開してから今も続けている。

そもそもこのレシピ動画は、僕の「モノづくりの楽しさやその裏側」を発信する個人アカウント「@es_koyama」で投稿している。 このアカウントで発信する内容は、「なるほど」と思っていただいたり、クスッと笑っていただいたりしていただければ本望。



そんなアカウントのフォロワーが増えたのである。 エスコヤマのモノづくりの根底にあるのは至ってシンプルな思い。 流行など関係なく、ただ「美味しいものをつくる」ことと、社訓が「Sweet Trick(お菓子でいたずら)」であるように、「せっかく発信するならびっくりさせたい!!」それだけだ。 そういう考えが根底に宿った投稿だったが、結果として多くの方がこのアカウントを選んでくださり、エスコヤマのお菓子を選んでくださった。 つまり、エスコヤマが大事にしている考えも「伝わった」ということではないかと感じている。


知人からは、「どうやって増やしたんですか?」「どこに宣伝をお願いしたんですか?」とよく聞かれた。 しかし、投稿の内容に関して、「どうやったらこの投稿が売上に繋がるか」と考えたことはない。 「売りたい」と思ってモノをつくる人は「これが流行っているから、ウチもこんな感じのものをつくろう」と考えてしまうだろうが、本来、お客様はそんなものを待っているはずがない、と僕は考えている。


バレンタイン期間中、ありがたいことに「エスコヤマさんのお菓子にはハズレがない」と書いてくださっている投稿を多く目にした。 こういうのを見ていると「今までで一番伝わったんじゃないかな」という実感が湧く。 その結果が具体的に商品に表れた例がある。 それは「奏(そう)」と「円(まどか)」という、エスコヤマ自慢の定番チョコレート菓子が沢山の方にお買い求めいただけたことだ。 どちらもメディアで取り上げていただいたわけでもないが、SNSで動画を発信し、投稿頻度も上げていた。


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